先日、熊本市中央区のマンション6階にお住まいのお客様から「パソコンを起動後、デスクトップ画面が表示された直後にリセットがかかる」とのご相談をいただきました。
お話を伺ってみると、今回の地震でパソコンを置いている部屋の本棚が倒れてしまい、パソコンに本棚が直撃したことが原因のようでした。地震の影響で家の中の物が倒れることはありますが、パソコンへのダメージは思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
故障の原因を探る
お預かりしたパソコンを分解して内部を確認してみたところ、ホコリは溜まっていたものの、ケーブル類はしっかり接続されていました。増設カードやメモリ、配線のコネクタも問題なさそうです。
ただ、パソコンが突然リセットする症状の原因として最も多いのが【CPUの熱暴走】です。そのため、CPUの冷却装置を重点的にチェックしました。すると、地震による落下の衝撃で冷却装置を固定するための留め具が折れ、しっかりと固定されていないことが判明しました。
このパソコンでは、冷却装置がメインボードに4つの留め具で固定されていましたが、そのうち2つが本棚の衝撃で折れてしまっていました。パソコンのCPUは100度以上の発熱を伴うため、冷却装置が正しく取り付けられていないと、熱暴走を引き起こし、CPUの安全装置が作動してリセットがかかる仕組みになっています。
通常、CPUの温度は40〜50度程度で安定していますが、冷却装置が正しく機能しないと100度近くまで上昇し、緊急停止することになります。今回は留め具の破損が原因で冷却装置が外れ、十分な冷却ができていなかったことがトラブルの原因でした。
修理と対策
今回の対応として、市販品の冷却ファンに交換し、CPUをしっかり冷やせる状態に戻しました。また、ついでに内部のホコリも清掃し、パソコンの環境を改善しました。
今回のような地震の影響によるトラブルは意外と多いものです。
パソコンを長く使うためには、
- 定期的に内部のホコリを掃除する
- 物が倒れたりしない場所に設置する
- CPUの温度管理に気を配る
といった対策が重要です。