最近、お客様から「古いパソコンに新しいWindowsを入れたいけれど、インストールできない」というご相談をよくいただきます。特に、Windows 11 になってから「TPM 2.0が必要」「セキュアブート必須」などの要件が厳しくなり、ちょっと前のパソコンではインストールが難しくなっています。
しかし、インストール時の制限を回避する方法はいくつかあります。今回は、その中の一つ「レジストリの設定変更」による方法をご紹介します。
レジストリの設定でチェックを回避
Windowsのインストール時、ある設定を変更することで、TPMやセキュアブートなどのチェックをスキップできることがあります。
具体的には、以下のレジストリキーを追加することで、一部のハードウェア要件を回避できます。
"BypassTPMCheck"=dword:00000001
"BypassSecureBootCheck"=dword:00000001
"BypassRAMCheck"=dword:00000001
"BypassStorageCheck"=dword:00000001
"BypassCPUCheck"=dword:00000001
これらを設定することで、TPM(セキュリティチップ)のチェックや、最低RAM容量、CPU要件などをスキップできます。ただし、この方法を利用する場合は自己責任となります。メーカーが公式にサポートしていない方法であるため、将来的なアップデートで不具合が起こる可能性もあります。
設定手順(自己責任)
- Windowsのインストールメディアを作成
- Microsoftの公式ツールを使ってUSBメディアを作成します。
- インストール開始後、「Shift + F10」を押してコマンドプロンプトを開く
- レジストリエディタを開く
regedit
と入力し、Enterキーを押します。
- 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup」に移動
- 「LabConfig」という新しいキーを作成
- 上記の設定を追加し、DWORD値を1に設定
- レジストリエディタを閉じ、インストールを続行
この手順で、通常は要件を満たしていないPCでもインストールを進めることができます。
注意点
- この方法を使うと、Microsoftが想定する要件を満たさないパソコンにインストールすることになるため、動作保証がありません。
- 将来的なアップデートで制限が強化される可能性があります。
- セキュリティの観点からも、TPMやセキュアブートが無効の状態では一部の保護機能が使えません。
とはいえ、「新しいWindowsを試してみたいけれど、ハードウェアを買い替えるのは難しい」という場合には、こうした回避策が役に立つかもしれません。