ある日、長年お世話になっているお客様から電話が入りました。「パソコンがうんともすんとも言わない」とのことです。これは電源ユニットの故障かもしれないと思いながら、早速お預かりしたPCの診断を始めました。
まず最初に、電源ユニットの交換を試みましたが、それでもパソコンは起動しません。しかし、通電はしているようです。このことから、電源そのものではなく、別の部分が原因である可能性が浮上しました。次に考えたのは、電源スイッチの不具合です。そこで、ドライバーを使ってそれらしき端子をショートさせてみると、なんと電源が入りました!原因はフロントパネルの電源スイッチやリセットスイッチなどのケーブルが断線していることが判明しました。
問題の部品は特定できたものの、この部品だけを中国から取り寄せるには時間がかかりすぎます。お客様に状況を説明し、「見た目が悪くなっても今日中に直してほしい」と確認を取ったところ、「なーん、よかよ」との温かい返事をいただきました。それでは、と作業に取り掛かることにしました。
今回は、汎用の電源スイッチを取り付けることにします。赤と黒のケーブルを使って、パソコンの電源スイッチのケーブルの差し込み口に接続します。ここまではスムーズに進みましたが、汎用品のスイッチなので、元々のパソコンのスイッチの形状やサイズにぴったり合うわけではありません。通常なら、この部分を切ったり削ったりして加工する必要がありますが、そんな時間はありません。そこで、思い切って強引に1分で組み込むことにしました。
熊本でこんな修理をするのは、きっと私だけでしょう。作業が終わり、電源が無事に入ることを確認しました。見た目は確かに少し不格好かもしれませんが、機能的には全く問題ありません。お客様も「うん、よかよか」と満足そうに一言。
これで無事に修理完了です。時には見た目よりも機能を優先する判断も大事です。今回のようなアイデアを駆使した修理方法に感心していただければ幸いです。お客様に寄り添いながら、柔軟な対応で問題を解決する。そんな姿勢を大切にしています。
私たちの店は、あなたの大切なパソコンを守り続ける、ちょっとしたアイデアの詰まった店です。ぜひ、またのご来店をお待ちしております!